グローバル化により社会的格差が各国、そして国家間でも広がっている。世界には経済/社会成長から取り残される地域がある一方で、経済成長が不安定な雇用関係や社会的危機を招いている地域もある。国境を越えた経済活動は一国の社会制度や社会基準を益々圧迫している。グローバル労働市場が生まれ、どの国でも雇用競争は激しくなるばかりだ。
このようなグローバル化による社会的挑戦を受けて政治的対応が求められている。ここで重要な役割を担うのが国際労働組合組織とその傘下にある加盟団体だ。彼らはグローバル化対策として一般的拘束性のある社会基準の実現に向け運動を展開している(ILO労働基準/『ディーセントワーク・キャンペーン』等)。最近では組織された労働運動もナショナル・レベルでの力がないと、国際的な運動を起こすことは難しくなっている。だが、世界の大多数の国では職場における『組織化(結社)の自由』はもはや問題ではない。ここにジレンマがある。枠組み構造を変えない限り、雇用者の組織化は難しいだろう。しかし、企業に活動の場を持たない労働組合には法律に彼らの意思を反映させる力はない。FESの国際労働組合事業ではこれらの事実を踏まえて―民主的で筋の通った、労働者を代表する労働組合の形成を目指して―雇用者の組織化と労働組合の政治的発言力強化に資する助成プログラムを実施している。
ドイツはグローバル化の勝者に数えられている。それでも労働組合と政治家が協力して、グローバル化が経済/労働界に及ぼす負の影響に対抗する戦略を考えることは大事だ。というのも、国際的な生産戦略、際限のない立地競争および競争圧力、またそれに伴う構造変化により社会民主主義の基盤が空洞化の脅威に晒されているからだ。FESもドイツでまたヨーロッパで、グローバル化が―公正な労働/雇用条件を伴う―社会的に許容できる範囲に収まるよう、力を尽くす。