FESインターネット・フォーカス「よい雇用」−参加と公正
長期失業、派遣労働、不安定・非典型雇用関係の増大、これらは―近年とみに社会の分断を招いている―労働界の負の側面だ。しかし、労働賃金が低過ぎるため、自分の労働で生活できないフルタイム労働者は、じきに―人間の労働力がシェアホルダーとしての価値という観点からのみ評価されるに至って―『公正』が終焉するということに気付く。職業上の展望、長期的な社会保障、公正な賃金がなければ、「よい雇用」などあり得ない。
経済は止まるところを知らず成長するが、労働者はもはやこの成長に実質的に関与することはない。こうした我が国の社会民主主義の空洞化傾向はこれからも続く。
他方、経済が再び統制され、企業が責任ある行動をとり、「労働により尊厳を持った生き方ができる経済」に人々が参加する社会を求める国民の声は高まっている。これに関して政治・経済・労働組合には同等の責任がある。
労働者による事業所・企業の共同決定への参加(ないし発言権をもつこと)は社会の分断を防ぐことに貢献する。だからこれが将来の経済にとって重要な要素となることは論を待たない。しかし、資産への参与―資本や収益への参与―もまた社会的公正と経済的理性の命じるところである。
以下の事例はFESが連帯的な社会、つまり社会的・民族的出自やジェンダーが職業での成功を左右することのない社会を目指して活動する様子を伝えている。「よい雇用」は我々にとって社会の『公正と連帯』の前提である。